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事件No.003
20代後半の転職はもう間に合わない?公的データで見る現実と、未経験から動く5つの手順
公開日
この記事でわかること
- 20代後半の転職が「遅い」のかを公的データで確かめる
- 転職した20代後半の賃金はどう変わったか
- スキルや実績に自信がなくても進められる手順
20代後半になると、「未経験の仕事に移るなら今しかない」「でも、もう間に合わないのでは」と焦る人は少なくありません。スキルも目立つ実績もないまま、転職に踏み出していいのか。この事件を、厚生労働省の雇用動向調査という手がかりから解いていきます。
20代後半は、転職して新しい職場に入った人の割合が、20代前半や30代より高い年代です。焦って辞めるより、在職中に「経験の棚卸し→基礎の学び→応募」の順で準備を進めましょう。
ワトソン
ホームズ、今回の依頼人は20代後半の会社員だ。今の仕事に先が見えないが、目立った実績もない。未経験の業界に移るにはもう遅いのではと、眠れないほど悩んでいるそうだ。
ホームズ
焦りは判断を曇らせるものだよ、ワトソン君。まずは「遅いかどうか」を、気分ではなく統計で確かめよう。
20代後半の転職は本当に間に合わないのか
公的な統計で見ると、20代後半は20代前半や30代より転職が活発な年代です。
厚生労働省の雇用動向調査(令和6年)では、1年間に転職して新しい職場に入った人の割合(転職入職率)は、全年齢で9.7%でした。年齢別に見ると、男性の25〜29歳は15.1%で、20代前半や30代より高くなっています。女性の25〜29歳も16.8%と、同じように高い水準です。
20〜39歳の中では25〜29歳がもっとも高い。「もう遅い」年齢ではない
出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」(令和6年(2025年8月公表))
統計から言えること
20代後半で転職する人は多く、年齢だけで「もう遅い」とは言えない。
言えないこと
未経験の職種に移れる割合。この統計は職種を変えたかどうかを区別していません。
スキルや実績がないときのアピール方法
「すごい実績」がなくても、今の仕事で工夫したことは立派な材料になります。
求人サイトや転職支援会社の解説でよく挙がるのは、業界の専門知識よりも、どの職場でも通用する力(段取り、報告・相談、改善の工夫など)を言葉にすることです。
書き出すときは、次の点をそろえると伝わりやすくなります。
- どんな場面で、何に困っていたか
- 自分はどう工夫したか
- その結果、何が変わったか(件数・時間など、数えられるものがあれば添える)
ワトソン
とはいえ、依頼人は「自分には語れることがない」と思い込んでいる。毎日の仕事を当たり前だと感じている人ほど、そうなりがちだ。
ホームズ
鋭いね、ワトソン君。だから「困った→工夫した→変わった」の型で書き出させるんだ。当たり前の中にこそ、手がかりは埋まっている。
20代後半の未経験採用で見られるポイント
20代後半で転職した人は、賃金が増えた人のほうが減った人より多くなっています。ただし、減った人も29.2%います。
同じ調査で、25〜29歳の転職者のうち前の職場より賃金が増えた人は46.3%、変わらない人は23.1%、減った人は29.2%でした。
賃金が増えた人は46.3%で、減った人(29.2%)より多い。ただし減った人も少なくない
出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」(令和6年(2025年8月公表))
未経験の仕事に移る場合は、一時的に賃金が下がることもあり得ます。そのぶん企業は、なぜその仕事を選ぶのかという理由の一貫性や、入ってから学び続けられるかを見ています。退職理由を前の職場への不満だけで終わらせず、「次に何をしたいか」につなげて話せるようにしておきましょう。
統計から言えること
20代後半の転職では、賃金が増えた人が減った人より多い。
言えないこと
未経験転職に限った賃金の変化。この数字は経験者の転職も含んだ全体の結果です。
失敗しない転職の進め方
辞めてから探すのではなく、在職中に準備と応募を進めるのが安全です。
志望する分野の基礎を学ぶなら、国の教育訓練給付制度も確かめておきましょう。雇用保険に加入している人などが対象講座を受けると、受講費用の一部が支給されます。たとえば一般教育訓練は費用の20%(上限10万円)、特定一般教育訓練は40%(上限20万円)です。
- STEP 1今の仕事で工夫したこと・数字で示せる結果を書き出す
- STEP 2「なぜ今の職場ではだめで、なぜその仕事か」を一本の話にする
- STEP 3志望分野の基礎を学ぶ。教育訓練給付の対象講座も調べる
- STEP 4転職サービスは2〜3社から始め、求人の傾向をつかむ
- STEP 5在職中に応募し、条件が合う内定が出てから退職を決める
辞める前に、棚卸し→学び→応募の順で準備する
転職サービスは、最初から登録しすぎると連絡の対応に追われがちです。2〜3社から始め、合わなければ入れ替えるくらいがちょうどいいでしょう。
事件解決:20代後半の転職で焦らないために
20代後半は、20代前半や30代と比べても、転職して新しい職場に入る人が多い年代です。年齢を理由にあきらめる必要はありませんが、勢いで辞めるのも禁物です。
- 今の仕事で工夫したことを「困った→工夫した→変わった」で書き出す
- 転職の理由と、次にしたいことを一本の話にする
- 志望分野の基礎を学び、使える給付制度を調べる
- 在職中に応募し、条件が合ってから退職を決める
よくある質問
30代になったら未経験の転職はできませんか?
できないわけではありません。ただ統計では、転職入職率は30代になると下がっていきます。迷っているなら、早めに情報を集め始めるのがおすすめです。
資格は取ってから応募したほうがいいですか?
資格が必須の仕事でなければ、取り終えるまで待つ必要はありません。学び始めていること自体を、意欲として伝えられます。
今の会社を辞めてから転職活動をしてもいいですか?
できますが、収入が途切れると焦りから妥協しやすくなります。できるだけ在職中に進めましょう。
出典
- 厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」(令和6年(2025年8月公表)、2026-10-19取得)
- 厚生労働省(ハローワークインターネットサービス)「教育訓練給付制度」(掲載中(令和6年10月の改正後)、2026-10-19取得)


